文字起こしをしただけでは、記録が増えただけです。あとから使える形にするには、何を事実として残し、どこからを分析にするかまで決める必要があります。
私はPLAUD NOTEとNotePinで商談や会議を録音し、文字起こしをClaudeへ渡して振り返っています。今は録音時間を目安に、3時間未満は詳細版、3時間以上は事実整理版へ分けています。

先に断っておくと、3時間はPLAUDの仕様やAIの上限ではありません。私が長い録音を扱いやすくするために置いている運用上の境目です。まず結論だけ確認し、そのまま使う場合は該当するプロンプトをコピーしてください。
結論|3時間未満は分析、3時間以上は事実整理
- 3時間未満:決定事項、TODO、未決事項に加え、相手ごとの要望、温度感、案内側の改善点まで確認する
- 3時間以上:テレビ、ラジオ、CM、ニュースなどの外部音声を分け、時系列で事実だけを整理する
- 重要部分だけ再分析:長時間版で気になる会話が見つかったら、その範囲だけ詳細版や個別プロンプトへ渡す
長い録音ほど、最初から温度感や改善案まで全部出させるより、「誰が、いつ、何を話したか」を先に整えた方が確認しやすいと感じています。AIに考えさせる範囲を広げれば、必ず便利になるわけではありません。
3時間未満|商談・会議を詳細に要約するプロンプト
短い商談だけに使うものではありません。3時間未満で、決定事項だけでなく相手ごとの要望や案内側の改善点まで振り返りたいときに使っています。入力欄を埋め、末尾の「文字起こし:」の後へ全文を貼り付けます。
あなたは、営業・会議記録を整理する実務担当者です。
以下の文字起こしは3時間未満です。冒頭だけで判断せず、先頭・中盤・終盤を含む全文を確認してから、事実要約と営業分析を分けて出力してください。
## 目的
- 「聞いたつもり」による認識漏れを防ぐ
- 決定事項、約束、担当、期限を次の行動へ変える
- 相手ごとの要望や温度差を、根拠付きで確認する
- 自分の案内の良かった点と改善点を振り返る
## 入力情報
- 日付:
- 場所:
- 場面(商談/会議/電話/朝会/研修/その他):
- 要約の用途(自分用/社内共有/顧客共有):
- 既知の登場人物と立場:
- 文字起こし:
## 長い文字起こしを分割して送る場合
文字起こしが1回で入らない場合は、時系列を崩さず【1/6】【2/6】のように連番を付けて送ります。
- 各分割の受信中は最終要約を作らず、決定事項、数値、TODO、話者不明箇所を内部で保持する。
- 最後に【全文送信完了】と書かれた後だけ、全分割を統合して最終出力する。
- 後半で前半の発言が変更・撤回された場合は、最終状態を決定事項とし、変更経緯を補足する。
- 分割の欠落や連番の飛びがある場合は、要約前に不足番号を指摘する。
## 絶対ルール
1. 文字起こしにない事実を補わない。確認できない項目は「記載なし」または「不明」とする。
2. 話者を推測で割り当てない。確定できない発言は「話者不明」とする。
3. 同姓、呼称の揺れ、似た声を同一人物として統合しない。根拠がある場合だけ統合する。
4. 数値、日付、時刻、金額、商品名、会社名、固有名詞、条件、期限は原文どおり残す。
5. 聞き取りが曖昧な箇所は、もっともらしく補正せず「聞き取り不明」と原文候補を併記する。
6. 決定事項と、単なる提案・希望・検討中の発言を分ける。
7. 担当者や期限が明言されていないTODOへ、推測で担当・期限を付けない。
8. 相手の感情や温度感は事実として断定しない。「推定」と明記し、根拠となる発言や反応を示す。
9. テキストだけでは声色や表情を判断できない。文字起こしに感情タグや状況説明がない限り、声色や表情を推測しない。
10. 相槌、言い淀み、重複は除く。ただし、強い拒否、迷い、沈黙、言い直しなど判断に影響する反応は残す。
11. タイムスタンプがある場合、決定事項、金額、期限、重要な懸念へ付記する。
12. 全文が長い場合も、終盤で変更・撤回された内容を優先し、途中の古い結論を最終決定として扱わない。
## 出力形式
### 0. 3行要約
- 会話全体の目的
- 最終的に決まったこと
- 次に最優先で行うこと
### 1. 基本情報
- 日付:
- 場所:
- 場面:
- 登場人物一覧:名前/立場/関係性
- 不明な情報:
### 2. 発言要旨
登場人物ごとに、何を説明・質問・提案・拒否・了承したかを箇条書きで整理する。
数値、日付、固有名詞、金額、条件は省略しない。
### 3. 決定事項・合意内容
| 決定事項 | 合意した人物 | 条件 | 根拠発言・時刻 |
|---|---|---|---|
決定事項がない場合は「明確な決定事項なし」とする。
### 4. TODO・宿題
| TODO | 担当者 | 期限 | 完了条件 | 根拠発言・時刻 |
|---|---|---|---|---|
担当者または期限が不明な場合は「不明」とする。
### 5. 未決事項・持ち越し
- 未確認の条件
- 回答待ち
- 誰の判断が必要か
- 次回までに確認すべきこと
### 6. 相手の要望・判断基準
| 人物 | 明言した要望 | 判断基準 | 懸念・抵抗 | 根拠発言 |
|---|---|---|---|---|
本人が明言していない内容は、ここへ事実として書かない。
### 7. 温度感・反応の分析(推定)
| 人物 | 推定温度 | 前向きな根拠 | 慎重・否定的な根拠 | 確信度 |
|---|---|---|---|---|
- 推定温度は「高い/中程度/低い/判断不能」で示す。
- 確信度は「高/中/低」で示す。
- 「欲しそう」「気に入っていない」などを断定せず、根拠となる発言と分ける。
### 8. 決裁・合意形成の構造
- 最終判断者として明言された人物:
- 強く影響している人物:
- まだ確認できていない人物:
- 誰に説明が偏っていたか:
- 次回、誰の要望を優先して確認するか:
明言がなければ「推定」または「不明」とする。
### 9. 気になるポイント
- 発言の矛盾
- 前半と後半で変わった条件
- 認識違いの可能性
- 交渉上の注意点
- 個人情報・機密情報の取扱い
- 約束したのにTODOへ落ちていない事項
### 10. 案内側の振り返り
#### 良かった点
- 相手の発言を根拠に評価する。
#### 改善点
- 質問不足、説明過多、特定人物への偏り、確認漏れ、結論の急ぎ過ぎを具体的に示す。
#### 次回確認する質問
優先順位の高いものを最大5件、実際に口頭で使える質問文にする。
### 11. AIが確認できない点
- 話者不明
- 聞き取り不明
- 情報不足
- 原音声で再確認すべき箇所
- 人が最終判断すべき解釈
## 最後の自己点検
出力前に、次を確認してください。
- 提案を決定事項へ変えていないか
- 推定を事実として書いていないか
- 担当者や期限を作っていないか
- 終盤の変更や撤回を反映したか
- 数値、日付、金額、固有名詞を落としていないか
- 複数人の発言を取り違えていないか
- 次回行動が具体化されているか
温度感は事実ではなく推定です。そのため、このプロンプトでは根拠となる発言と確信度を分けています。「奥様は気に入っていない」と決めつけるのではなく、まだ確認できていない要望を次の質問へ変えるために使います。
3時間以上|外部音声を分けて事実整理するプロンプト
3時間を超える録音には、実際の会話だけでなく、テレビやラジオ、CM、ニュース、店内放送などが混ざることがあります。そこで長時間版では分析を外し、外部音声、実際の会話、判別できない音声を分けることを優先します。
以下の文字起こしを、事実だけに基づいて整理してください。
録音時間は3時間以上です。冒頭だけで判断せず、先頭・中盤・終盤を含む全文を時系列で確認してください。
## ルール
1. 外部音声(テレビ、ラジオ、CM、ニュース、動画、店内放送など)と実際の会話を分離し、外部音声には必ず【外部音声】と明記する。
2. 外部音声か実際の会話か断定できない場合は、推測で決めず【判別不能】と記載する。
3. 実際の会話は、時系列を保ったまま話題ごとにブロック分けし、各ブロックに具体的な見出しを付ける。
4. 数値、金額、日付、時刻、固有名詞、商品名、会社名、期限は省略せず、文字起こしどおり正確に記載する。
5. 聞き取りが曖昧な数値や固有名詞は補正せず、【聞き取り不明】と記載する。
6. 相槌、言い淀み、同じ内容の重複は除去する。
7. 文字起こしにない情報を追加しない。話者が分からない場合は「話者不明」とする。
8. 決定事項と、提案、希望、検討中の内容を混同しない。
9. 決定事項とTODOがある場合だけ、末尾にまとめる。外部音声の内容は決定事項やTODOへ含めない。
10. TODOの担当者や期限が明言されていない場合は「不明」とし、推測で補わない。
11. 詳細な分析、考察、感情分析、温度感の推定、改善提案は行わない。
12. 後半で内容が変更または撤回された場合は、変更前と変更後が分かるように事実だけを記載する。
## 出力形式
### 【実際の会話】話題を表す具体的な見出し
- 発言者:発言の要旨
- 発言者:発言の要旨
### 【外部音声】内容を表す具体的な見出し
- 放送・音声内容の要旨
### 【判別不能】内容を表す具体的な見出し
- 外部音声か実際の会話か判断できない内容
同じ形式で、録音全体を時系列に沿って整理してください。
## 決定事項
- 明確に合意または決定された内容だけを記載する。
- なければ「明確な決定事項なし」と記載する。
## TODO
| TODO | 担当者 | 期限 |
|---|---|---|
- なければ「TODOなし」と記載する。
## 出力前の確認
- 外部音声を実際の会話へ混ぜていないか
- 推測や分析を追加していないか
- 数値、金額、日付、固有名詞を落としていないか
- 提案を決定事項として扱っていないか
- 録音終盤の変更や撤回を反映したか
これは音声から外部音声を完全に除去する機能ではありません。文字起こしの文脈から区別させる指示なので、判断できない部分は【判別不能】のまま残し、人が元音声を確認します。
私が2本に分けている理由
営業の振り返りでは、情報をたくさん出すことより、事実と推定を混ぜないことの方が重要です。長い録音に対して、決定事項、感情、改善点、次回質問まで一度に求めると、どこを確認すべきかが見えにくくなります。
まず事実だけを整理し、重要な場面を見つける。その後で必要な箇所だけ分析する。この二段階にすると、AIの出力を読み切れないまま放置しにくくなります。
私自身、聞いているときに受け取った意味と、あとから文字起こしを読んだときの意味が違うことがあります。AIの分析も答えではありません。自分の受け取り方とAIの見方を照らし合わせ、最後は元の発言へ戻ります。
使う前に外せない4つの確認
- 話者名:誰の発言かが重要な箇所は、元の文字起こしや音声で確認する
- 数値・金額・期限:要約結果だけで転記せず、原文と照合する
- 温度感:相手の本心ではなく、発言から作った推定として扱う
- 顧客情報:録音同意、利用目的、保存先、保存期間、削除、閲覧権限を決めてから使う
朝会やミーティングでは、AIが誰の発言かを取り違えることがあります。本人の体感では7〜8割ほど合っていますが、これは製品の性能試験ではありません。担当者や約束が変わる部分は、要約だけで確定させない方が安全です。
個別の営業分析は7つのプロンプトを足す
今回の2本は、文字起こし全文を一つの形へ整理するためのテンプレートです。良かった点だけ確認したい、説明の偏りを見たい、長い指摘を改善行動へ変えたい、といった個別分析は別記事の7つのプロンプトを使います。
録音から議事録、共有、次回行動までの全体手順も別記事に分けています。この記事では、文字起こしをAIへ渡すときの指示文だけに絞りました。
まとめ|まず整理し、必要な部分だけ分析する
文字起こしが3時間未満なら詳細版、3時間以上なら事実整理版。長時間版で重要な会話を見つけたら、その部分だけを詳細に分析する。私はこの順番で使っています。
録音が残っている安心感はありますが、忘れてもAIが全部正しく判断してくれるわけではありません。話者、数字、期限、相手の温度感は、人が元の記録へ戻って確認する前提です。
よくある質問
文字起こしの要約プロンプトは何を指定すればよいですか?
決定事項、TODO、未決事項、数値や固有名詞の保持、話者不明の扱い、推定と事実の分離を指定します。長時間録音では、先に外部音声と実際の会話を分けて事実整理に絞ります。
なぜ3時間でプロンプトを分けるのですか?
3時間はPLAUDやAIの仕様ではなく、本人が長い録音を扱うために決めた運用上の目安です。3時間未満は詳細分析、3時間以上は事実整理を優先します。
3時間以上の録音も一度に分析できますか?
入力できる量は利用するAIやプランによって異なります。この記事の運用では、まず全文を事実整理し、重要な部分だけを詳細版や個別プロンプトで再分析します。
AIが付けた話者名や温度感は信用できますか?
確定情報にはしません。話者、数字、期限は元の文字起こしや音声で確認し、温度感は根拠となる発言を伴う推定として扱います。
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