「今やっている作業、本当に全部Solが必要なのか」。重い作業をまとめて任せて利用上限に当たることが増え、そう考えるようになりました。
そこから、自分で仕事を振り分ける仕組みを作りました。今はAstraを軸に、SolやTerraなどへ作業を分けています。仕事の方針を考えるところと、決まった作業を進めるところ。同じAIに全部任せる必要はない、という出発点です。
その運用に、判定に特化したAI「Jev」を足すとどうなるのか。私が気になったのは、メールや集計の入口で何度も繰り返す、小さな振り分けでした。
結論は、分類する仕事が繰り返し発生するなら検証する価値があります。ただ、毎回違う難しい仕事を数件頼む使い方なら、先に今のAIへの分担ルールを整える方がよいと考えます。この記事では、Jevの公式仕様を私の営業業務に当てはめ、追加する場所と試し方を整理します。
Jevは、決めた選択肢から答えを返すAI
JevはTypeSafe AIが提供する判断用のモデルです。問い合わせの内容と「内見希望・資料請求・その他」といった選択肢を渡し、どれに当たるかを返してもらう。文章を読み、その結果で次の処理を分けたいときに使います。
| 質問の型 | 営業の仕事に当てはめた設計例 | 返るもの |
|---|---|---|
| Choice | 用件は内見希望・資料請求・その他のどれか | 選択した候補、確率、確信度 |
| Score | 決めた基準で対応優先度を評価する | スコア、確率、確信度 |
| Noul | この文面に日程変更の依頼が含まれるか | 該当する見込みを0〜1で表した値 |
返ってきた分類に応じて「担当者へ知らせる」「別のAIに返信案を作らせる」という動作を組むのは、連携するプログラム側です。Jevに登録するだけで、普段のチャット画面や社内ツールが自動でつながるわけではありません。
機能の根拠はTypeSafeの公式ドキュメントです。Jevという名前の解説サイトもありますが、利用の入口はTypeSafe公式サイトから確認できます。
私なら、毎週の集計に入る前の分類から試す
仕事では、問い合わせの反響数だけでなく、そこから連絡が取れたか、案内につながったか、成約したかまで見ています。広告にいくら使い、それに対してどれだけ成果が出たのか。毎週、毎月の集計は、AIなしだと面倒に感じる仕事の一つです。
ただ、元の入力や分類に少しずつブレがあります。ここを残したまま計算だけ速くしても、同じ基準の数字にはなりません。Jevを試すなら、まず「この記録はどの分類に入るか」という入口を候補にします。
例えば、次の表は実際の顧客データではなく、分類基準を考えるための架空例です。右側はAIの出力結果ではなく、人が先に決めておく期待する扱いです。
| 架空の問い合わせ | 人が先に決める扱い |
|---|---|
| 週末に部屋を見たいです | 内見希望。内見実施数にはまだ入れない |
| まず資料だけ送ってください | 資料請求。連絡成立の定義は別途決める |
| 内見したいですが、費用も知りたいです | 内見希望と費用質問の両方を残す |
| 昨日の件を変更したいです | 元の連絡を確認。文面だけで用件を確定しない |
| 営業メールではありません。集客サービスをご紹介します | 自己申告だけで決めず、内容を基準に確認する |
ここで「内見希望」を「案内できた件数」に入れてしまうと、営業成績の数字が変わります。先に決めるのは、AIの名前より、希望・予約・実施をどう数えるかです。複数の用件があるメールは一つの分類だけに押し込まず、質問を分けて残します。
分類が固まった後の件数、連絡率、成約率、広告費の合計は、表計算やコードで計算します。Jev 1.13の公式資料も、数え上げや正確な計算、日付の比較をコード側へ任せるよう案内しています。Jev 1.13の既知の弱点
Astra・Sol・Terraへの振り分けにも使えるのか
私の今の運用は、Astraを軸に仕事を整理し、範囲を区切ってSolやTerraへ渡す形です。Jevを加えるなら、その前段で「定型作業か」「資料が足りているか」「人の判断へ戻すべきか」を分類する構成が考えられます。
| 仕事の例 | 振り分けルールの案 | 実行後に見ること |
|---|---|---|
| 決めた書式へ整える | 既存の定型処理、またはその作業で確認済みの軽いモデル | 指定形式、数字、欠落 |
| 複数資料から回答案を作る | 必要な資料をそろえ、対応できる実行モデルへ | 出典と整合性 |
| 条件が曖昧、資料同士が食い違う | 司令塔で問題を整理し、必要なら本人へ戻す | 何が未確定か |
| 顧客への送信、契約に関わる採用判断 | 本人の確認工程へ | 本人が内容を理解し採用できるか |
これはモデルの性能順位ではなく、仕事を分けるための案です。Jevが返した分類を、実際に使えるモデル名・呼び出し方法・利用枠へ対応させる仕組みは別に要ります。画面に同じモデル名が見えていても、外部APIから呼べるとは限りません。
私が分担を始めた理由は、上限に当たりやすくなったことでした。そこで気をつけたいのが、「安い判定APIを追加した」ことと「普段使うサービスの上限問題が改善した」ことを同じにしないことです。判定だけ別にして、重い実行を全部同じ場所へ戻していれば、そちらの負担は残ります。
先にモデルを選ぶ基準を整理したい場合は、Opus・Astra・Solの仕事での使い分けへ。全体の仕組みは自作オーケストレーションとCursor Projectsの比較で扱っています。
Claude Codeとの連携は、実際に切り替わった記録まで見る
紹介動画には、JevをClaude Codeと組み合わせ、処理を振り分ける使い方も出てきます。この段階では、Jev本体と、それを接続する第三者のツールを分けて見ます。
例えば第三者プロジェクトのjev-routerには、特定のSessionStartフックがあると振り分け処理が飛ばされるという報告があります。すべての環境で起きる話ではありませんが、「導入できたから切り替えも成功している」とは判断できません。jev-routerの不具合報告 #28
試すなら、依頼した仕事、Jevの判定、実際に呼ばれたモデル、失敗したときの戻り先を残します。画面が動いたかより、予定した相手へ仕事が渡ったか。ここまで見てから、その連携を続けるか決めます。
Jevの料金は、判定の安さと運用全体を分けて考える
2026年9月23日に確認したTypeSafe公式表示は、入力10億トークン当たり42ドルです。100万トークンなら0.042ドル。仮に1回の入力全体が1,000トークンで、それを1万回処理すると、入力分は0.42ドルという計算です。公式料金表示
この概算に、判定後に動かすAI、連携サービス、再試行、仕組みを直す手間は含めていません。比較したいのは、今の運用でその分類にいくら・何分かかっているかです。価格が安くても、確認や修正の仕事が増えるなら導入する理由は弱くなります。
問い合わせが少なく、件名やフォームの選択項目でほぼ分けられるなら、まず通常のルールで処理します。文面を読まないと分からない分類が大量に残る場合に、Jevを比較対象へ加える。私なら、この順番にします。
最初の試験は、振り分け案だけを出して並べる
試験では、架空の日本語データで分類基準を確かめます。その後、会社が認める範囲で匿名化した業務データを使い、今の方法とJevの案を並べる。最初は顧客への送信や削除を連動させず、違った箇所を本人が追える形にします。
| 比較する項目 | 確かめること |
|---|---|
| 見逃し | 内見希望や要返信を、不要な連絡へ回していないか |
| 迷う案件 | 情報不足・複数用件を人へ戻せるか |
| 手間 | 確認・修正まで含めて時間が減るか |
| 費用 | 判定と実行、再試行を合わせてどう変わるか |
| 障害時 | Jevが止まっても元の連絡や記録が残るか |
確信度が高ければ何でも自動で進めてよい、とはしません。公式の分岐例にも閾値はありますが、あれは例です。自分の仕事で見逃してはいけないものを先に決め、試験データで分岐を調整します。確信度を使った分岐の公式例
普段、私はスクリーンショットを貼って「ここを埋めて」と頼むこともあります。前提の資料を先に渡しておくと、調べる作業や入力候補を作る作業が楽になります。でも、出てきた答えを採用して送るのは自分です。分からない内容は送らない。この線は、振り分けを自動化しても残します。
先に一つ、「毎回迷っている振り分け」を選ぶ
今すぐAIを総入れ替えする必要はありません。問い合わせの用件、週次集計に入れる記録、モデルへの作業依頼。その中から、何度も同じ判断をしているものを一つ選びます。選択肢と「人へ戻す条件」を書き出せれば、Jevを試すための土台になります。
そもそも仕事に使う道具をまだ選んでいる段階なら、私が営業で使うAIツールの組み合わせから、今いちばん面倒な仕事に合うものを選んでください。記録を残す、文章を整える、資料を探す。その一つが回ってから、繰り返す判断を自動化する方が、追加する道具の役割もはっきりします。
