AIに仕事を進めてもらいたいのに、今度はAIを動かすPCの片づけをしている。不要なアプリを整理する。再起動する。いったん軽くなる。でも、いつもの作業を戻すと、また重い。
私の16GBノートでは、再起動から約3分後の空きメモリは8.71GiBでした。その後、ChromeとCodexを戻した状態では1.76GiB。起動できることと、普段の仕事をそのまま続けられることは、別でした。
先に結論を言うと、私の同時利用環境では16GBの余裕が不足しました。ただ、だからといって「Codexには64GB必須」とはなりません。判断の分かれ目は、不要なものを閉じれば仕事が続くのか、それとも仕事に必要なものまで閉じなければ続かないのかです。
まず「AIの返事が遅い」と「PCが重い」を分ける
この記事で扱うのは、Codexを使っている間にPCの操作自体が重くなる問題です。AIの回答を待っているだけなら、同じ対策にはなりません。PCを買い替えても、モデルの処理時間やサービス側の待ち時間が短くなるとは限らないからです。
| 困っていること | 先に調べる方向 |
|---|---|
| AIの返事は遅いが、ほかのアプリは普通に動く | タスクの大きさ・接続・サービス側の状態を確認する |
| 入力やウィンドウ切替など、PCの操作も重い | 重い瞬間のメモリ・CPU・ディスクと、動いているアプリを確認する |
| Codexの画面を表示した時だけ重い | 表示前後を比べ、アプリ側の問題も切り分ける |
回答待ちとアプリの不調を整理する際は、OpenAI公式のトラブルシューティングも確認先になります。ここからは、私のPCで起きた経緯に絞ります。
使っているのは、あとからメモリを増やせない16GBノート
- 機種:HP OmniBook X Flip 14-fm0xxx
- CPU:Intel Core Ultra 5 226V
- メモリ:16GB(Windowsの認識値は約15.66GiB)
- OS:Windows 11 Home
この機種は、足りなくなったらメモリを足す、という方法が取れません。HPの保守ガイドでは14-fm0xxxのメモリはオンボードで、アクセス・アップグレード不可とされています。購入後に16GBから32GBへ増設できる機種ではありません。
出典:HP Maintenance and Service Guideの製品仕様、冊子2ページ(PDFの9ページ目)。2026年9月8日確認。
つまり、使い方を軽くして続けるか、今の同時利用に合わせて別のPCを検討するか。私の場合は、この二つを比べる必要がありました。
片づけたら終わり、ではなかった
前日の9月7日には、不要なアプリや自動起動を整理しています。それでも記録の終わりでは、メモリ使用率は92%、空きは1.12GiBでした。途中では空きが増えた場面もありますが、整理後ずっと余裕がある状態にはなっていません。
そこで翌日、再起動後の状態を記録しました。何も戻していない時だけを見るなら、「かなり空いた」で終われます。問題は、そのあとでした。
- 00:24 再起動前:空き0.22GiB
- 00:28 再起動後168秒:空き8.71GiB
- 00:47 Chrome・Codexを戻した後:空き1.76GiB
同じ瞬間の数字ではなく、作業を戻していく途中の記録です。アプリごとの負荷をそろえた比較ではありません。それでも「再起動で空いた分が、そのまま仕事の余裕として残るわけではない」ことは分かります。
Chromeを使う。Codexを使う。そのためのPCなのに、使い始めるとまた余裕がなくなる。不要なアプリを減らす作業と、やりたい仕事まで減らすことの境目が、ここで見えてきました。
さらに同日の後の診断では、一時的に空きが約0.6GiBまで減っています。別の測定ではCPU使用率は10%程度で、空きメモリは約2.2GiBでした。「ずっとCPUが全力だったから重い」と決めつけられる記録でもありません。
Cドライブには空きがありましたが、保存容量に余裕があることと、ディスクの読み書きが重さに関係しないことは別です。メモリに余裕がない場面は確認できても、重さの全原因がメモリだけだと確定したわけではありません。
改善したのは空き容量。仕事の速さまで証明できたわけではない
不要アプリ整理は、必要な作業を削る前に行う
不要と確認したアプリや自動起動を整理したのは、普段の仕事を残したまま余裕を作るためです。9月8日にはXbox関連の2部品も、アプリデータをローカルにバックアップしてから削除しました。ただ、この2部品の削除で体感が改善したかは確認できていません。
削除件数が多いほど速くなった、という読み方はしない方がいいです。大事なのは、整理したあとに必要な作業を戻しても使えるか。私の記録では、そこにまだ課題が残りました。
Windows側のプロセスも動いていた
Codex以外にも、WindowsのWorkloadsSessionHostがメモリを使っていました。深夜の確認では、関連サービスを一時停止する試験の前後で、PC全体の空きメモリが1.76GiBから4.24GiBへ増え、サービスを元に戻した直後は4.18GiBでした。
一方、同日の後の診断では別の動きがありました。約1.5GiBのワーキングセットを持っていた同名プロセスが、こちらが停止する前に消え、空きメモリが約2.6GiBへ戻っています。深夜に停止した試験と、後で自然に消えた場面は、別の出来事です。
この結果から、Windows側の常駐も確認対象になると分かりました。ただし、一時的に空いたことを根拠に、サービスを無効化し続ける手順は勧めません。記録したのは短時間の変化で、機能への影響や長期の改善を保証するものではないためです。
Nodeが88個あっても、AIが88人動いているわけではない
診断中、Nodeのプロセス数は75個から88個へ増えました。しかし、これはチャット数やAIの担当数ではありません。親が消えた孤立プロセスが残っていた、という証拠も見つかっていません。数だけを見て、一括で終了する理由にはできませんでした。
見るべきなのは、どのアプリから起動され、今の作業に必要かです。保存していない作業を巻き込む可能性があるため、正体の分からないプロセスをまとめて止めることは避けます。
買い替える前に、普段の作業を戻して比べる
今回の経緯から、最初に試すなら次の順番です。起動直後の軽さではなく、自分が仕事をする状態を判定基準にします。以下は、記録を踏まえた確認方法の提案です。
- 作業内容を保存し、今開いているアプリと実行中の仕事を控える。
- 重い時点のタスクマネージャーで、メモリの利用可能量とCPU・ディスクを確認する。
- 不要と分かっているアプリを通常の操作で閉じ、同じ仕事を続けられるか比べる。
- 再起動を試す場合は未保存の作業や実行中の処理を確認してから行い、起動後に必要なアプリを順に戻す。
- いつもの仕事へ戻した状態で、操作の重さと数値をもう一度見る。
たとえばアプリを閉じれば軽くなるとしても、毎回そのアプリを使わないと仕事が進まないなら、対処は完了していません。逆に、使っていない常駐を減らすだけで必要な仕事が続くなら、買い替えを急ぐ理由は弱くなります。
作業を閉じる前の引き継ぎには、私が使っているAIの現在地を外部ファイルへ残す方法を使えます。これはRAMを増やす機能ではなく、いったん閉じても続きへ戻れるようにする方法です。
AIへ診断を頼む場合も、最初は「読み取りだけ」と範囲を区切ります。次のように依頼すれば、診断と変更を分けられます。実際の処理内容は実行前に確認してください。
「PCが重い原因を、まず読み取りだけで調べてください。各測定の時刻、メモリ利用可能量、CPUとディスクの状態、主なプロセスと親子関係を整理してください。プロセス終了、サービス変更、アプリ削除、再起動はまだ実行しないでください。事実と推測を分け、変更案ごとに影響と戻し方を示してください。」
16GBを使い続けるか、買い替えを考えるか
| 確認できた状態 | 判断 |
|---|---|
| 不要な常駐を閉じれば、必要な仕事を続けられる | 今のPCを使い続ける。整理後の通常作業で確認する |
| 必要なアプリを戻すと繰り返し余裕がなくなり、仕事を削る必要がある | 増設可否を確認し、増設できないなら買い替え候補を比較する |
| メモリに余裕があっても重い、特定の表示操作だけで重い | メモリ容量だけで買わず、アプリ・CPU・ディスク等の切り分けを続ける |
私の16GBノートでは、不要なものの整理と再起動だけで、普段の同時利用に十分な余裕を残すところまでは確認できませんでした。しかもメモリは増設不可です。この使い方を維持するなら、買い替え候補を比較する段階には来ています。
ただし、32GBと64GBのPCで同じ仕事を動かした比較は、まだしていません。以前出た64GBという提案も、将来の余裕を見込んだ案であって、必要量の実測結果ではありません。次を選ぶなら容量の数字だけでなく、同じ作業を再現できるか、候補機の返品条件やメモリ増設可否も確認します。
Macへの買い替えも考えるなら、予算別のMacBook候補とメモリの選び方へ。中古・Apple認定整備済・新品を並べ、10万円で条件を満たせなければ買わない、という判断も整理しました。
今のツールを全部同時に使う必要があるかを見直したい人は、私が実際に使う営業AIツールの組み合わせから、各ツールの役割を確認できます。ツールを増やすことと、仕事を進めることは同じではありません。
今回残った基準は、「軽いPCか」ではなく「自分の仕事を戻しても使えるPCか」です。起動直後の空きメモリだけで安心せず、買い替えも容量だけで決めない。やりたい作業を戻した状態で判断する。それが、この16GBノートを整理して分かったことでした。
数値を読むときの補足:メモリには違う指標がある
表の空きメモリは、実測記録に合わせてGiBで表記しています。比較する時は単位と測定時刻をそろえます。また、プロセスのメモリとPC全体のメモリは、次のように分けて読みます。
- ワーキングセット:そのプロセスのページのうちRAMにある部分。共有するページも含む。
- Private Bytes:そのプロセス用に確保された、ほかと共有しないメモリ。すべてがRAM上にあるとは限らない。
- システムのコミット量:PC全体で確保が約束された仮想メモリの量。物理RAMの使用量そのものではない。
深夜の試験では、WorkloadsSessionHostのワーキングセットは約2.0GiB、Private Bytesは約0.4GiBでした。PC全体の空きが約2.48GiB増えたことを「このプロセスが2.48GiBを専有していた」と読み替えることはできません。
指標の出典:Microsoftのワーキングセット解説、Private Bytes相当の指標、ページファイル・システムコミットの解説。異なる指標を足したり、ある瞬間の数値だけで原因を確定したりしないための補足です。

